アーク 「我が王国よ」 （Arc 「... at This」）

　今思うと１９７０年前後のブリティッシュ・ロックは不思議だ。今宵に紹介する Arc は典型的な地味ロックだが、経済的に考えると、こういうバンドのレコードで商売になったのだろうか？　現在のように低コストで自主CDを出すのならわかるが、アナログ・レコードでリリースすることは、スタジオで録音したマスターをカッティング・プレスでレコードにし、紙によるジャケットも作成しなければならない。レコード屋への流通費用も考えると、そうとうの資金が必要だ。かなりの枚数がさばけないと黒字にならなかっただろう。

　１９７１年に英国大手レーベル Decca からリリースされた唯一のアルバムだ。

　ギターが２人、ベース、ドラムスという基本構成だが、ピアノやオルガンも使い、ヴォーカル・ワークも聴かせる。ポップ・サイケの影響は感じるも、全体的には実に渋い演奏だ。
　B級というには無視できないアルバムで、ソリッドさと抒情性を合わせた地味な演奏が面白い。

　英国デッカ・プレス、ナローバンドのアナログ盤を所有している。コーディング・ジャケットで昔のサッカー・ユニフォーム姿の写真も雰囲気良く映っている。だいぶ昔に購入したので値段は憶えていないが、3,000円前後あたりで手に入れたと思う。（今はいくらするのだろう？）

　 Amazon 　 HMV 　 Tower Records

A1. Let Your Love Run Through（お勧め）
A2. It's Gonna Rain
A3. Four Times Eight
A4. An Ear Ago
A5. Great Lager Street
B6. Hello, Hello Monday
B7. Perfectly Happy Man
B8. Sophie's Cat
B9. You're In The Garden